きのこの歴史

 ヒラタケ 平茸 きのこの名前/種類

日本人ときのこの歴史

日本人がきのこを食べることを習憤にしたのは現代に始まったことではありません。 日本では東北と北海道にある縄文時代中期から後期にかけての遺跡から、 きのこの形をした「きのこ形土製品」が多数発見されており、今から4000年 以上前から日本人がきのこを食べてきたと考えられています。

興味深いことには、土製品の中には、ある特定の種を意識して作られ、実際のきのこと非常に似ている形のものがあるということです。これは、きのこ形土製品が、飾りや儀式のために作られたのではないことを物語るものではないかといわれています。

縄文時代にもきのこが食べられていたとするならば、毒きのこで中毒を起こしてしまうことも度々あったかもしれません。どうにかして中毒事故の経験を忘れないようにし、食べられるきのこの姿を知識として伝えていく必要があり、「きのこ形土製品」は「きのこ事典」の代わりに使われたのではないかというものです。こうしたことからも縄文人も私たち現代人と同じようにきのこを好んで食べていたといえるでしょう。

古典文学ときのこ

日本人ときのことのかかわりを示すものは古典にもあります。奈良時代の万葉集には、きのこを詠んだ歌が収録されていますし、平安時代末期の「今昔物語集」にもきのこを題材にした話がいくつか登場します。たとえば、高い地位の老僧のを妬んだ下の位の僧が、老僧を亡き者にしようと毒きのこの「和太利」をヒラタケと騙して食べさせる話などです。

また狂言の「くさびら」という演目では、ある男が採っても採っても屋敷内にき のこが生えてくるので、山伏にきのこ退治の祈祷を頼みます。山伏は印を結んで祈 祷を唱えるのですが、祈祷はまったく効かず、祈れば祈るほどきのこは増え続け、 山伏は恐れをなして逃げてしまいます。ちなみにこの「くさびら」は漢字では「菌」とも書き、古くからきのこ類の総称として使われている言葉です。

アミタケ きのこ事典/図鑑

世界のきのこの歴史

きのこは世界中に数万種類あり、食用だけでも1000種類もあるといわれています。きのこを好んで食べる日本では、縄文時代から食べられてきました。では世界ではどうでしょう?

ヨーロッパでは、古代ギリシャや古代ローマ時代から「神様の贈り物」と呼ばれ、 珍重されてきたきのこ。食べ物としてはもちろん、幻覚作用のあるきのこは宗教関 連にも用いられ、人々に大きな影響を与えてきました。

古代ィンドでは、紀元前15世紀~紀元前6世紀ごろに信仰されたヴェーダ宗教の中で、「ソ一マ」というものが重要視されていました。ソーマとは、それ自身が月 の属性を持つ神であり、同時に植物のようなものでもあり、その植物のしぼり汁で もあるという不思議な存在です。ヴェーダ宗教の祭官は、儀式の中でソーマの液を飲み、霊感を得て神の言葉を語ったといいます。そのことから、摂取すると幻覚や酩酊を引き起こす植物だったと推測され、最近では幻覚作用を起こすベニテングタケではないかと考えられています。

南米では、紀元前5世紀〜紀元16世紀に栄えたマヤ文明の遺物 として、石でできたきのこ形の彫刻「きのこ石」が多数発掘されています。これは 高さ25~50cm程度のもので、マヤ人にとって守護神的な力を持つと信じられていました。マヤ人のシャーマン(神と交信する役割の特別な能力を持つ人物)が、ベニテングタケやシビレタケ属のきのこを食ベて神がかりとなり、お告げを伝えたことから、きのこを神聖なものとして崇めるために作られたのではないかと考えられています。

チチアワタケ きのこ事典

きのこはいつから食べられていた?

食用としての歴史は古く、紀元前756年~1453年に栄えた古代ロ一マ時代から、 たくさんのきのこ料理があったことがわかっています。特に古代ロ一マでは、きの こは「神々の食べ物」といわれ、戦士たちに力をつけさせるために食べさせたとい われています。

また古代エジプトでは、きのこは「不死の植物」と信じられており、ファラオが野生のマッシユルームを独占して食べていたという話があります。マッシュルームの独特の香りと味がファラオを魅了したため、食べられるのは王族のみで、一般の人は触ることもできなかったと伝えられています。

一方、中国では、紀元前778〜紀元前206年に繁栄した秦の始皇帝が、不老不死の薬として霊芝(マンネンタケ)を摂取していたといわれています。特に古代中 国では、霊芝の効能が誇大に信じられていたため、発見した者は必ず採取して皇帝に献上することが義務づけられていたそうです。

また、中国には世界三大美女のひとり、楊貴妃が、美しさと若さを保つためにシロキクラゲを食べていたという逸話も残されています。

500年ごろに書かれたとされる中国最古の薬物書「神農本草経」には、上薬の最上品として6種の霊芝や、获萃(マツホド)、猪苓(チョレイマイタケ)などが記載されています。古くから中国では健康維持や美容のために、きのこが漢方薬や民間薬として役立てられてきた歴史があるのです。

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